レター・オブ・インテントについて

【目次】

1. レター・オブ・インテント(LOI)とは何か
2. レター・オブ・インテント(LOI)を作成する目的・理由
3. レター・オブ・インテント(LOI)の記載内容
4. レター・オブ・インテント(LOI)の様式
レター・オブ・インテント(LOI)とメモランダムないしMOUとの違い
レター・オブ・インテント(LOI)に記載された独占的交渉権の規定の効力
レター・オブ・インテント(LOI)に記載された秘密保持義務の効力
ブレーク・アップ・フィーとはなんですか
レター・オブ・インテントの作成を栗林総合法律事務所に依頼した時の弁護士費用

Q1. レター・オブ・インテント(Letter of Intent)とはなんですか?

レター・オブ・インテントは取引意向書とも言われ、当事者双方が合意した取引の基本的事項をまとめたものです。
レター・オブ・インテントを短くしてLOIとも言われます。



Q2. レター・オブ・インテント(LOI)を作成する目的・理由を教えてください。

国際取引を開始するためには、取引条件や費用負担など詳細なことがらについて決めなければなりません。
当事者間における協議も数カ月や1年以上かかることも多くあります。このような場合に、何も取り決めがないと本当にその話を信用して進めていいのかどうか不安になります。

そこで、それまでに合意された事項を覚書のような形で双方確認するために作成されるのがレター・オブ・インテントです。
また、レター・オブ・インテントを作成することで、相手方の取引に対する真摯な気持ちが分かるだけでなく、合意事項が何で、今後確認しなければいけない事項が何か等が明確になるメリットがあります。

契約に至る途中の文書ですから、その後内容が変更になることも多くあります。

Q3. レター・オブ・インテント(LOI)にはどのようなことが記載されますか

例えば物の売買に関する基本合意書を作成する際のレター・オブ・インテントについて言えば、売主の名前(Seller)、買主の名前(Purchaser)、取り扱う商品(Products)、取扱数量(Volume)、価格(Price)、取引期間(Term)、管轄(Jurisdiction)、準拠法(Governing Law)、契約締結までの費用負担等が定められます。

これらの全てが記載されていなければならないわけでもありませんので、当事者間で了解が得られたものだけ記載しておくということもあります。

Q4. レター・オブ・インテント(LOI)の様式は決まりがありますか

レター・オブ・インテントの様式について制限はありません。
当事者のうち一方だけがサインするものや、双方がサインするもの、契約書形式のもの、レター形式のもの、箇条書きのものなど色々な種類があります。


Q5. レター・オブ・インテント(LOI)とメモランダム(Memorandum)、
メモランダム・オブ・アンダスタンディング(MOU)の違いはなんですか

レター・オブ・インテントは、当事者間の合意事項をまとめた文書で、メモランダムやメモランダム・オブ・アンダスタンディング(Memorandum of Understandingというか、簡単に略してMOUと言われます)も当事者の意向をまとめた文書と言う意味では同じ意味になります。

きちんとした区別があるわけではありません。

レター・オブ・インテントは契約途中の合意事項をまとめたもので、一般的には法的拘束力がないとされているのに対し、メモランダムやMOUは特定の事項に関する合意を箇条書きなどの短い文書でまとめたものですが、その対象となる事項については、法的拘束力を生じさせようとすることが多くあります。

MOUはレター・オブ・インテントよりよりフォーマリティが強く、拘束力も強いと考えられます。

Q6. レター・オブ・インテント(Letter of Intent)に記載された独占的交渉権に関する規定は有効ですか

レター・オブ・インテントの記載は法的拘束力がないとされることが多く、レター・オブ・インテントの中に、法的拘束力がないことを明確に記載することもあります。

しかし一方で、レター・オブ・インテントの中に独占的交渉権に関する記載をするということは、その期間中は他の当事者と協議交渉を開始しないということを意味しており、相手方は当然そのような約束を信用することになりますので、当該規定については法的拘束力があると考えられます。

但し、レター・オブ・インテントは最終合意ではありませんので、仮にそのような約束があったとしても、必ず最終合意が成立することまで約束されるものではありません。

そこで、独占交渉権違反の場合であっても、履行利益による損害賠償ではなく、信頼利益の範囲内でのみ損害賠償請求が認められるとされることもあります。

Q7. レター・オブ・インテント(Letter of Intent)に記載された秘密保持義務に関する記載は法的効力を有しますか

レター・オブ・インテントの記載は法的拘束力がないとされることが多く、レター・オブ・インテントの中に、法的拘束力がないことを明確に記載することもあります。

しかし、当事者としては、売買契約が最終的に締結に至ったかどうかに拘わらず、相手方に対して開示した情報の秘密性が確保されることが重要であると考えると思われます。

従って、レター・オブ・インテントの中に、秘密保持義務を記載した場合は、そのような規定については法的拘束力があると当事者が考えていたものと解釈するのが相当ではないかと考えられます。

もちろん、LOIの法的拘束力が問題とされることが多いことを考えれば、重要な秘密情報を開示する可能性がある場合は、LOIとは別の書式にすることで、別途秘密保持契約書(NDAやNon-Disclosure Agreementと言われます)を作成しておいた方が好ましいと考えられます。

Q8. ブレーク・アップ・フィーについて教えてください

レター・オブ・インテントの記載は法的拘束力がないとされることが多く、レター・オブ・インテントの中に、法的拘束力がないことを明確に記載することもあります。

しかし、当事者は既に交渉過程に入っていますので、理由なしに契約締結を破棄した場合には、契約締結上の過失として信頼利益の範囲内での賠償責任が認められることがあります。

また、一方当事者が真摯に契約締結についての話し合いに応じない場合に、話し合いを拒否した当事者に対して、事前に当事者間で合意した金額のブレーク・アップ・フィーの支払いが要求される場合もあります。

このようにレター・オブ・インテント自体に法的拘束力がない場合であっても、当事者が費用と労力をかけてそこまで契約交渉を進めてきたことの証明にはなりますので、一方的な契約交渉の中断が違法行為となるかどうかを判断する材料として使われることはあります。

Q9. レター・オブ・インテント(LOI)の作成費用

レター・オブ・インテントの内容も契約書に匹敵するような詳細なものから、当事者間の取引の基本的事項のみを確認する簡易なものまで、様々な種類のものがあります。

また、栗林総合法律事務所に依頼があった場合の当事務所の関与の仕方も、取引の基本スキームについてのアドバイスを求められるものや、契約交渉の一部を依頼されるもの、単に書面にまとめるだけを依頼されるものなど様々ですので、レター・オブ・インテントの作成費用をいくらと一概に特定することはできません。

下記のサンプルは、基本的事項のみをまとめた簡易なバージョンで、内容があらかじめ特定されている場合の作成費用は概算で8万円となりました。
具体的な金額については、その都度ご連絡を差し上げますので、栗林総合法律事務所(info@kslaw.jp)までお問い合わせください。


This letter of intent (this “LOI”) will confirm the intent of ●●● (“●●”) and ▲▲▲ (“▲▲”) in relation to the sales transactions of “XXX”.
1. The parties have discussed the sales transactions of “XXX” and have agreed as follows:

(1) Object of sales: “XXX”

(2) Prospective number of sales: Attached as Exhibit

(3) Price per unit: Attached as Exhibit

2. The parties intend to negotiate and execute a Sales Transaction Agreement or Sales Agency Agreement (the “Agreement”) which will contain the detailed terms and conditions concerning the matters referred to above. It is the intention of the parties that they will negotiate in good faith and execute the final Agreement by ______________.

3. ●● agrees that ●● will not purchase “XXX” from any third party (including without limitation the manufacturer of “XXX”) without written consent of ▲▲. ●● further agrees that, from the date of this LOI until the May 2020, ●● will not engage in discussions with any third party regarding transactions similar to those contemplated by this LOI.

4. The parties agree that this LOI, and the Agreement, if any, will be maintained in confidence by both parties except to the extent of any mutually agreed upon disclosure of information.  The Agreement will contain a like provision.

5. In the event that the parties are unable to conclude a final Agreement by that date, this LOI and the intentions set forth herein shall expire. This LOI merely summarizes certain of the principal terms and conditions proposed by the parties with respect to the transactions contemplated by the parties. This LOI is not an offer to enter into a contract, and no party’s signature hereon is intended to be, and shall not be deemed to be, an acceptance of any offer by the other party.  Except as to Paragraph XX and Paragraph XXI, the parties hereby expressly agree and acknowledge that this LOI is merely an expression of intent among the parties and not intended to be legally binding and that the actions contemplated by the LOI shall in all respects be subject to the execution of a definitive agreement in form and substance satisfactory to the parties and their respective counsel.

(訳文)
本LOIは、XXXの売買取引に関する●●●(以下「●●」という。)と▲▲▲(以下「▲▲」という。)との間の意図を確認するためのものである。

第1条 当事者は、XXXの取引について協議を行い、次の点について合意した。
(1) 売買の対象:XXX
(2) 予定販売数量:別紙のとおり
(3) 単価:別紙のとおり

第2条 両当事者は、上記に関する詳細事項を含む売買基本契約書又は販売代理店契約書(以下「取引基本契約書」という。)の締結を行うことを意図している。両当事者は、真摯に協議を行い、__までに契約の調印に至ることを考えている。

第3条 ●●は、▲▲から書面による同意がある場合を除き、XXXの製造者を含め、如何なる第三者からもXXXを購入しないことに同意している。●●は、本LOI締結の日から、2020年5月末まで、本LOIに含まれているのと同様の取引について第三者と協議を行わないことに同意している。

第4条 本LOIと、もし締結されているのであればその基本契約書については、情報開示について双方が合意した範囲を除き、両当事者とも秘密に保持するものとする。取引基本契約書には、同様の秘密保持義務を含めるものとする。

第5条 上記の日にちまでに最終的な基本合意書の調印に至らなかった場合、本LOIとそこに含まれる合意内容は無効となる。本LOIは、両当事者が意図する取引に関して各当事者から提案された基本的事項をまとめたものにすぎない。本LOIは契約書を締結することについての申し込みではなく、本LOIへの調印はそのようなものとは解釈されず、相手方当事者の申し込みに対する承諾とは取られない。XX条とXXI条を除き、本LOIは当事者間の意図を表明したものに過ぎず、法的拘束力を有せず、LOIに基づく一切の行為の効力は、各当事者及びそのカウンセルが了解する形式及び内容の最終合意書が調印されることを条件とする。


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