Notice(通知条項)について教えてください

通知の方法について

意思表示を行う通知の方法としては、手渡し、郵便、クーリエ、ファクシミリ、電子メールなどがあります。郵便については、普通郵便とする場合と、料金前払いとする場合や、配達証明付きとする場合があります。クーリエについては、クーリエとフェデックス、DHLを個別に記載する方法もあります。電子メールについては、最近ではビジネス上のほとんどのやり取りが電子メールでなされていますので、電子メールによる意思表示を認めることも多くなっていると思われます。但し、電子メールについては、改ざんの可能性がありますので、法的効果を伴う通知の効力発生時期を画する方法として電子メールが好ましいかどうかも検討が必要です。電子メールを通知方法として記載しながら、電子メールの場合は、確認のために電子メールのコピーを郵送することを求められることもあります。

通知条項のサンプル(シンプルなもの)

Any notice or communication from one party to the other shall be in writing and either personally delivered, sent via facsimile, overnight courier or certified mail, postage prepaid and return receipt requested addressed to such other party at the address specified below.  All notice shall be in English and shall be effective upon receipt.

(訳)当事者の一方から他方に対する全ての通知又は連絡については、書面により、個人的に手渡しで行うか、ファクシミリ、オーバーナイトクーリエ、又は郵便料金前払いで配達証明付の証明郵便により、下記に記載された相手方の住所宛てに送付される。全ての通知は英語によって行われ、受領によってその効力が生じる。

通知条項のサンプル(詳しく規定するもの)

Any notice to be given or to be served upon a party hereto, shall be in writing and may be delivered in person (by hand or by messenger or courier service) or may be sent by regular mail, certified or registered mail, or overnight delivery service, all with postage prepaid, or by email or facsimile transmission, and shall be deemed sufficiently given if served in a manner specified herein. The addresses appearing on the signature page of this Agreement shall be the party's address for delivery or mailing of notice purposes. Any party may, at any time, by giving five (5) days prior notice to the other party in accordance with this section, designate any other address in substitution of the foregoing address to which such notice will be given.

(訳)本契約の当事者に対する全ての通知は、文書により、(手渡し又は配達人ないしクーリエサービスにより)個別に配達されるか、郵便切手を付した通常の郵便、配達証明書付き又は書留郵便、又は翌日配達サービスによるか、eメールまたはファクシミリ送信によるものとし、本契約書に定められた方法により配達されることで正式に送付されたものとみなされる。本契約書の署名欄に記載された住所は、通知の目的上、当事者の配送又は郵送の住所とする。いずれの当事者も、いつでも、本条の記載に基づき相手方当事者に対して5日前に事前通知を送ることで、かかる通知がなされるべき上記の住所の代わりとして別の住所を指定することができる。

通知先について

通知先については、「本契約書の署名欄に記載された住所」とする場合、「本契約書の頭書きの部分に記載された住所」とする場合、通知条項の中で宛先を個別に記載する場合、宛先については特に記載しない場合などがあります。また、宛先の変更方法について具体的に記載している場合があります。宛先については、会社の住所、電話番号、FAX番号、eメールアドレス、担当者の名前、担当者の役職のうち全部またはその一部を記載することが多いと思われますが、特に記載しない場合もあります。ある程度規模の大きな組織の場合には担当部署まで記載しておくことが円滑な通知がなされるために必要です。下記の例は、住所や連絡先などを具体的に記載する例です。国際取引においては、突然連絡が不能となる事態も考えられますので、万一の場合に備え、連絡先を契約書に規定しておくのが好ましいと言えます。この場合、万一、相手方が住所移転によって手紙が着かないような事態になっても、本来の住所宛に郵便物を送付すれば通常到着すべき時期に意思表示の到着があったものとみなされることになります。

通知条項のサンプル(宛先を具体的に記載するもの)

All orders, policies, reports, payments and communications pursuant hereto are to be delivered to the intended receiving party by hand or by facsimile, or by airmail, postage prepaid, to the address provided hereof and shall be deemed delivered when handed or mailed to the intended receiving party. Except as either party may herein after notify the other party in writing with respect to itself, the addresses of the parties for the purpose of this Agreement shall be:

Buyer      
Telephone No:
Fax No.:
Address:

Seller      
Telephone No.:
Fax No.:
Address-

(訳)本契約における全ての命令、方針、報告、支払い及び連絡は、手渡し又はファクシミリ、又は郵便料金前払いの航空便により、受領当事者に、本条に記載した住所宛てに送付されるものとし、意図した受取人に手渡し又は郵送された時点で送付があったものとみなされる。いずれかの当事者が、他方当事者に対して書面により通知した場合を除き、本契約上の当事者の住所は以下のとおりとする。

買主
電話番号:
ファックス番号:
住所:

売主
電話番号:
ファックス番号:
住所:

発信主義と到達主義

契約の履行の過程において、意思表示がいつ効力を生じるのかが重要な意味を有することがあります。日本民法では、「意思表示は、その通知が相手方に到達したときからその効力を生じる。」と規定し、到達主義をとることを明らかにしています(民法97条1項)。これに対してイギリスでは、発信時に効力が生じるという発信主義をとっています。このように意思表示の効力発生時期の解釈については、発信主義をとる国と到達主義をとる国の両方があります。なお、国際物品売買契約に関する国連条約(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods(CISG)(ウィーン売買条約)第18条第2項、第24条では、申込みに対する承諾は、同意の表示が申込者に到達した時にその効力を生じるとして到達主義によることを明らかにしています。

通知の効力発生時期を定める意味

契約上、相手方に対する通知の効力発生時期が重要な効果を持つ場面があります。例えば、契約の解除の通知、売買契約で検収後一定期間内の通知が要求されている場合の通知(クレーム提起)、契約の自動更新条項がある場合の更新拒絶通知などがあります。そのような場合には、いつ通知の効力が生じることになるのかが重要な意味を持つことになります。そこで、契約当事者の紛議を招かないようにするため、通知の方法、通知先、通知の効力発生日を契約に規定しておくことことが重要になります。通知の効力発生日については、上記のような通知が重要な効力をもつ場合には、効力の発生時期を巡って争いになることがあります。そこで、郵便発送の3日後に受領したこととみなすなどとし、その時に効力が発生することを明確にする規定を設ける場合もあります。さらに、3日後のような日数を設ける場合は、営業日だけを基準にするのか(”business day”)、土日祝日(”calendar day”)を含めるのかも定めておく必要があります。

通知条項のサンプル(効力発生時期を明確に定めるもの)

Any notice sent by registered or certified mail, return receipt requested, shall be deemed given on date of delivery shown on the receipt card, or if no delivery date is shown, the postmark thereon. If sent by regular mail, the notice shall be deemed given forty-eight (48) hours after the same is addressed as required herein and mailed with postage prepaid. Notices delivered by overnight delivery that guarantees next day delivery shall be deemed given twenty-four (24) hours after delivery of the same to the overnight delivery courier. If any notice is transmitted by email or facsimile transmission or similar means, the same shall be deemed served or delivered upon telephone confirmation of receipt of the transmission thereof, provided a copy is also delivered via delivery or mail. If notice is received on a Sunday or legal holiday, it shall be deemed received on the next business day.

(訳)配達証明付きの書留郵便又は証明書付郵便については、配達証明書に付された配送日において配達されたものとみなされ、配送日の記載がない場合には、その消印の日に配達されたものとみなされる。通常の郵便で送付された場合は、本契約書に定められた住所宛に郵便料金前払いにより送付された後48時間経過した時点で配達されたものとみなされる。翌日配送が保証された翌日配送郵便によりなされた通知については、翌日配送クーリエに通知が渡された後24時間経過した時点で配達されたものとみなされる。通知がeメールまたはファクシミリ、又は類似の手段により行われた場合、通知は、その送達文の受領について電話で確認された時点で、配達又は送信されたものとみなされる。但し、写しについても配達又はメールされなければならない。通知文が日曜日や法律上の休日に受領された場合、翌営業日において受領されたものとみなされる。

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