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KURIBAYASHI SOGO

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基本契約書のサンプルと注意点

基本契約書のサンプルと注意点
1 Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約書) 1 Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約書)

秘密保持契約書は略してNDAと言われることが多くありますし、Confidentiality Agreementを略してCAと言われることもあります。海外の相手方と契約交渉に入ろうとする場合、M&Aであっても商品の売買であっても、両当事者ともに相手方に対して自己が有する秘密情報を開示するのが通常です。従って、契約交渉を開始した場合、まず最初に秘密保持契約書にサインするようにしましょう。秘密保持契約書は、秘密の保持という義務を守っている限り当事者にとって大きな負担にはなりませんし、一方でこの契約書に調印することで双方とも契約交渉に向けて前向きに協議を開始していることの確認となります。従って、相手方からNDAの話がなされない場合でも、面倒がらずに、御社の側からNDAを締結しましょうという提案をするのが好ましいと思われます。

例えば、貴社の営業担当が中国に出向き、相手先企業と商談を行います。非常にうまく話が進み、先方の代表者に食事に招かれるなどして、「一緒に事業を進めましょう。」、「業務の提携を行いましょう。」、「貴社を日本の独占取引相手とします。」などと話を持ちかけられることもよくあります。
日本に帰って「非常に話がうまくいきました。」と報告しても何も書面になっていないと、その話を本当に進めるものかどうかよく分からなくなったりします。
もちろん、レターオブインテントやメモランダムの作成まで話が進めばいいですが、初回に会っただけではそこまで話がまとまらないのが通常です。そのような場合、将来の取引を進めることを目的として、秘密保持契約書をまず作成しておくことが考えられます。
秘密保持契約書は、秘密を守る限り責任違反を問われることもありませんし、契約を作成することで新たな出資を伴うものでもありません。
海外に商談に行かれる場合は是非秘密保持契約書のサンプルを持参し、話が進みそうであれば、その場で秘密保持契約書に調印してくるのが好ましいと考えられます。
これによって、双方とも前向きにビジネスを行っていこうという土壌は形成され、今後の話合いが大きく進展していくものと思われます。


秘密保持契約書で重要な点としては、次のようなものがあります。

秘密情報(confidential information)の定義(Definition)

契約書の中には、相手方から開示された情報のみが秘密情報とされており、日本企業から提供された情報が秘密情報の定義に含まれないような記載の契約書も拝見します。ライセンサーがライセンシーに対して一方的に情報を提供するような場合だと思われますが、どのような場合であっても御社の側から情報を提供する可能性がないということはありませんので、必ず双方平等に秘密保持義務を負うようにしておく必要があります。この点は相手方も比較的修正に応じてくれやすいと思われます。なお、単にDisclosing Party(開示当事者)、Receiving Party(受領当事者)と記載されている場合には、当事者のいずれも開示当事者、受領当事者になり得るということで、平等な扱いになります。

「秘密情報」(Confidential Information)の定義があいまいな契約が多くみられます。例えば、「当事者から書面又は口頭で開示された情報で秘密性のあるものは全て秘密情報とする」という記載がありますが、これでは何が秘密情報か全くわからず、相手方が違反して御社の情報を開示した場合であっても、秘密性の有無について争われることも考えられます。一般的な意味で相手方をけん制する程度で利用する場合には、それでもいいのですが、重要な情報の開示があり得る場合には、秘密情報はConfidentialと記載された書面にかかれたものに限るなど、秘密情報の範囲を限定したほうが、秘密性を図るには優れています。例えば次のようなものが考えられます。

Confidential Information means any information disclosed by the Disclosing Party to the Receiving Party, either directly or indirectly, in writing, orally or by inspection of tangible objects (including, without limitation, documents, samples, software, flowcharts, graphical layouts and descriptions, plant and equipment), which is designated as “Confidential”. Information disclosed orally shall be considered as Confidential Information if such information is indicated as Confidential Information at the time of disclosure and confirmed in writing as being Confidential Information within three (3) days after the initial disclosure.

(訳)秘密情報とは、直接又は間接に、文書、口頭又は有体物(文書、サンプル、ソフトウェア、フローチャート、グラフィカル・レイアウト及び説明文、工場及び設備を含むがこれに限られない)の検査によるものであるかどうかを問わず、開示当事者から受領当事者に開示された全ての情報で、「秘密」と指示されているものをいう。口頭で開示された情報については、開示の時において秘密情報であるとの説明がなされ、最初の開示の時から3日以内に秘密情報であることが文書により確認された場合には、秘密情報とみなされる。

秘密保持義務及び目的外使用の禁止

秘密保持契約書には、相手方から開示された秘密を秘密として保持し、第三者に対して開示しないこと(秘密保持義務)と、秘密情報を他の目的で使用しないこと(目的外使用の禁止)の両方を定めておく必要があります。例えば次のようになります。

The Receiving Party agrees not to use any Confidential Information of the Disclosing Party for any purpose except to evaluate and engage in discussions concerning a potential business relationship between the parties. The Receiving Party agrees not to disclose any Confidential Information of the Disclosing Party to any third parties or employees of such third parties, except those employees of the Receiving Party who are required to have the information in order to evaluate or engage in discussions concerning the contemplated business relationship, provided, however, that the Receiving Party is responsible for all the results of any breach of this paragraph committed by such employees.

(訳)受領当事者は、開示当事者の秘密情報を当事者間における今後のビジネス関係についての協議及びその評価の目的のためにのみ使用することができることに同意する。受領当事者は、開示当事者の秘密情報を第三者や第三者の従業員に対して開示しない。但し、当事者間における今後のビジネス関係についての協議及びその評価を行うために必要な従業員を除くものとするが、受領当事者は当該従業員による本条違反の結果について全ての責任を負うものとする。

注意義務の程度

秘密情報を受領した当事者に対して一定レベルの注意義務をもって秘密情報の管理をすべきことを要求する条文が入れられることが多くあります。特に、例外事由にあたり開示が認められる場合(従業員や下請けに開示される場合)において、その従業員や下請けに対しても秘密保持義務を負わせることを受領当事者に要求しておかなければ、従業員や下請けから情報が開示された場合への対処ができなくなります。契約書のサンプルとしては次のようなものがあります。

The Receiving Party agrees that it shall take reasonable measures to protect the secrecy of and avoid disclosure and unauthorized use of the Confidential Information of the Disclosing Party. Without limiting the foregoing, the Receiving Party shall take at least those measures that it takes to protect its own most highly confidential information and shall ensure that its employees who have access to the Confidential Information of the Disclosing Party have signed a non-use and non-disclosure agreement in content similar to the provisions hereof, prior to any disclosure of the Confidential Information to such employees. The Receiving Party shall not make any copies of the Confidential Information of the Disclosing Party unless the same are previously approved in writing by the Disclosing Party. The Receiving Party shall reproduce the Disclosing Party’s proprietary rights notices on any such approved copies, in the same manner in which such notices were set forth in or on the original.

(訳)受領当事者は、開示当事者の秘密情報についての秘密性を保護するために合理的な手段を講じるものとし、開示当事者の秘密情報が開示されたり、無断使用されたりすることがないようにする。受領当事者は、最も高度の秘密性のある自己の情報を保護するのと同じかそれ以上のレベルの対策を講じるものとし、開示当事者の秘密情報にアクセスした従業員に対して、当該従業員への秘密情報の開示の前に、本契約書と同様の内容を定めた無断使用及び無断開示を禁じる契約書に署名させるものとする。受領当事者は、開示当事者が事前に書面で同意した場合を除き、開示当事者の秘密情報のコピーを作成してはならない。受領当事者は、許可を得て作成されたコピーに対し、原本に付されているのと同様の方法により、開示当事者の秘密情報であることを示す警告文を付するものとする。

秘密情報の返還要求

秘密情報については、将来勝手に使われることのないよう返還または処分することを求める記載を挿入すること多くあります。

All documents and other tangible objects containing or representing Confidential Information which have been disclosed by the Disclosing Party to the Receiving Party, and all copies thereof which are in the possession of the Receiving Party, shall be and remain the property of the Disclosing Party and shall be returned to the Disclosing Party within ten (10) days after the Disclosing Party’s written request.

(訳)開示当事者から受領当事者に対して開示された秘密情報を含み又はこれを表示する全ての文書及びその他の有体物、並びに受領当事者が保管する全てのコピーについては、開示当事者が権利を有するものであり、開示当事者からの書面による要求があった後10日以内に開示当事者に対して返還されるものとする。

2 Products Purchase Agreement(商品売買契約書) 2 Products Purchase Agreement(商品売買契約書)

海外から商品を輸入する場合は取引基本契約書や売買契約書を作成する必要があります。取引基本契約書(Basic Sale and Purchase Agreement)は、売買の基本的事項について定める契約書ですが、取引基本契約書の他に個別の売買契約書を締結する場合や、取引基本契約書の他には、注文書と注文請書のみで取引を行う場合など取引の内容は様々です。従って、取引基本契約書の作成を行う場合においても、当該契約書がどの範囲までをカバーすることを想定しているのかを明確にしておく必要があります。

売買契約書の場合、とにかく売買を行うことが重要であるということで、最低限の取引事項のみを定めて取引をすることもあります。そのような場合の取決めとしては下記のような記載事項が考えられます。
Party: Party A and Party B  (当事者Aと当事者B)
Date: March 31, 2019     (2019年3月31日)
Price: ● JPY        (●円)
Delivery: ex works      (工場渡し)
Payment: June 30, 2019, by cash(2019年6月30日現金支払)
Name of Products:             (商品名)
Special Terms and Conditions:  (特別条件)

特別条件としては、輸送用の荷造りや輸送費用の負担についての取決め、人の派遣やその費用負担、導入場所における商品の設置義務、技術者の派遣、品質保証、受け入れ検査等があります。

上記のような簡易な形式の契約書であっても、売主、買主、売買の対象となる商品の種類・数量・品質、価格、代金の支払い方法、受渡期日など売買の基本条項が記載されていれば立派な契約書と言えます。大手の商社などでは、大型の売買であっても迅速な契約締結を図るために、簡易な形式の売買契約書をFAX等で交換し、取引を実行することもあります。

一方でこれから長期にわたる契約関係を構築し、取引を拡大していきたいと考える場合には、ある程度きちんとした契約書の締結を希望される場合が多いと思われます。このような場合の売買取引基本契約書の条項としては例えば次のようなものが考えられます。

This Agreement made and entered into this       day of                , 2019 (“Effective Date”) by and between ●● Co., Inc., a corporation organized and existing under the laws of Japan with its principal place of business at ●●, Chiyoda-ku, Tokyo, 100-0000 Japan (“Seller”), and ●● Co., Ltd., a corporation organized and existing under the laws of California, USA with its principal place of business at ●●, California, USA (“Purchaser”)

(訳文)本契約は、2019年__月__日(発効日)において〒100-0000日本国東京都千代田区●●に本店を有し、日本法に基づいて設立され存続する●●(「売主」)と、アメリカ合衆国カリフォルニア州●●に本店を有し、アメリカ合衆国カリフォルニア州の法律に基づいて設立され存続する●●(「買主」)との間で締結された。

前文の中で、契約の当事者が誰であるかを明確にします。海外の場合、会社でも様々なタイプの会社がありますし、契約当事者が有限責任法人(LLC)であったり、パートナーシップであったりすることもありますので、当該法人の法律的な性格を明確にし、かつ誰が当事者かを明確にしておく意味があります。また、継続的取引を行う場合には、相手方の信用力にも関係しますし、裁判による強制執行の可否にも影響しますので、住所や設立準拠法などによって、当事者の確定をしっかり行っておく必要があります。

WHEREAS, Seller is engaged in the business, among other things, of manufacturing and selling products as defined hereinafter; and
WHEREAS, Purchaser desires to purchase said products from Seller and to sell them to customers in USA; and
WHEREAS, Seller and Purchaser are willing to cooperate for the development, marketing, and distribution of the said products in USA;
NOW, THEREFORE, in consideration of the premises and mutual covenants and agreement hereinafter contained, the Parties hereby agree as follows:

(訳文)
売主は、以下に定義される商品の製造販売その他の営業を行っている。
買主は、売主から商品を購入し、アメリカ合衆国の顧客に対し、これらの商品を販売することを希望している。
売主と買主とは、アメリカ合衆国においてかかる商品の開発、マーケティング及び販売活動について協力することを希望している。
本契約に含まれる誓約、相互の約束、及び合意事項を約因として当事者は以下の通り合意する。

WHEREAS条項と言われるものです。売主がある商品の製造販売の意思を有していること、買主がその商品を購入する意思を有していることを簡潔に記載しておけば問題ありません。

Article 1 (Subject of Agreement)
1.1 This Agreement shall be applied to the sale and purchase of ●, ● and those otherwise agreed upon in writing between the Parties (hereinafter referred to as the “Products”).
1.2 This Agreement shall govern the general terms and conditions of contract between the Parties; however, upon the consent of the Parties, the Parties may choose terms different from this Agreement, or agree not to apply certain terms of this Agreement to an individual sale and purchase agreement.

Article 2  (Individual Agreement)
2.1 The Parties may use individual purchase order provided for in Article 4 hereunder as a substitute of individual sale and purchase agreement.
2.2 In the event of any conflict between this Agreement and individual purchase order, the terms and conditions of individual purchase order shall take precedence over this Agreement, unless otherwise explicitly specified.

(訳文)
第1条 (本契約の目的)
1.1 本契約は、●、●および当事者間で文書で合意されたその他の商品(以下「本商品」という)の売買に適用される。
1.2 本契約は、当事者間の契約に関する一般条項を定めるものである。但し、当事者間の合意により、本契約の条項と異なる条項を定めることができ、また、本契約のいくつかの条項について個別の売買契約に適用しないことを合意することができる。

第2条 (個別契約)
2.1 当事者は、個別の売買契約の代わりに下記第4条に定めた個別の注文書を使用することができる。
2.2 本契約の条項と個別の注文書との間に食い違いが生じた場合、別途明確に定められた場合を除き、個別の注文書の条項が本契約の条項に優先するものとする。

本契約書の適用対象を明確にします。特に対象となる商品や言葉の定義を明確にする趣旨から、当事者が取引の対象として意図している特定の商品について適用になるものであることを明確にしています。対象となる商品は、Whereas条項や定義規定の中に書くこともありますし、別紙(Attachment)を作成しその中で明確にすることもあります。基本取引契約書の場合、通常個別の契約書や、注文書などの記載が優先適用されることになりますので、基本契約書の記載と個別の契約書及び注文書の記載の優劣関係を明確にしています。

Article 3 (Conditions of sale and purchase)
3.1 Each terms and conditions for the quantity, specification, conditions of sale and purchase, delivery and any other terms shall be agreed upon at each time in accordance with the provisions in Article 4.

Article 4 (Order and acceptance)
4.1 Purchaser shall place a written purchase order by fax, e-mail or telephone stating the order numbers, model numbers, unit prices, total amount, and required date of shipment addressed to Seller’s international department.
4.2 Within      days after the receipt of individual orders from Purchaser, Seller shall notify Purchaser whether Seller accepts the order or not by telephone, e-mail or fax. The Parties agree that each individual contract becomes effective on the day of the receipt by Purchaser of notification of acceptance issued by Seller.
4.3 Upon the delivery of the said Products, Seller shall deliver a copy of invoice to Purchaser specifying names of the Products, specifications, quantity, price, and shipping agent.
4.4 Upon the receipt of the said Products, Purchaser shall deliver to Seller a receipt of delivery of the Products.

(訳文)
第3条 (売買の条件)
各商品の数量、仕様、売買条件、受け渡し条件及びその他の条件については、第4条の規定に従い、その都度合意されるものとする。

第4条 (発注及び承認)
4.1買主は、売主の国際部門に宛てに、注文数、型番、単価、合計金額及び希望する輸出日を記載した書面により、FAX、Eメール又は電話によって買受の申し込みを行う。
4.2買主から、個別の注文を受けた後、_日以内に、売主は買主に対して、FAX、Eメール又は電話により、かかる注文を引受けるかどうかを通知する。当事者は、売主が発行した承認通知を買主が受領した日において個別の契約が有効となることに合意する。
4.3上記商品が納品された日において、売主は、商品名、仕様、数量、価格及び荷受人を記載した送り状を買主に交付する。
4.4上記商品の受領と同時に、買主は、売主に対して、本商品の受領書を交付する。

取引基本契約を定めた後においても様々な種類の商品が取引される可能性があり、契約当初の段階で全ての商品について明確に特定できないことが多いと思います。そこで取引基本契約書では、売買契約の基本的事項についてのみ定め、個々の売買の対象となる商品、品質、数量、価格、その他の取引条件については、個別契約の都度、注文書や個別契約書において定める形としています。

Article 5 (Shipment)
5.1 In case of a C.I.F. contract, Seller shall, at its own expenses, arrange for ocean freight of the products from the port of shipment to the port of destination of the Products. Shipment within the time stipulated shall be subject to shipping space being available.
5.2 In case of a F.O.B. contract, Purchaser shall give shipping instructions and provide shipping space; otherwise Seller may dispose of the Products for the account and risk of Purchaser or extend this Agreement or terminate any or all portions of this Agreement without prejudice to Seller’s right to recover damages or loss resulting from such termination.
5.3 In case of shipment in installment, each shipment shall be regarded as a separate and independent agreement.  Seller shall have the right to make partial shipment.
5.4 The date of the bill of lading shall be conclusive evidence of the date of the delivery.

(訳文)
第5条 (輸出)
5.1 C.I.F契約の場合、売主は、自己の費用により、本商品の輸出地から目的地までの海上輸送を手配する。定められた期間内に輸出することは、船の手配が可能であることを条件とする。
5.2 F.O.B契約の場合、買主は、輸送指示及び船の手配を自ら行う。かかる手配がなされない場合、売主は、買主の勘定及び危険負担のもとに本商品を処分し、又は契約解除によって発生する売主の損害賠償、又は損失を回復する権利を侵害することなく、本契約を延長し、又は本契約の全部又は一部を解除することができる。
5.3 分割輸送の場合、各輸出は、独立した別個の契約とみなされる。売主は、分割輸送を行う権利を有する。
5.4 船荷証券の日付は、輸出日の確定的証拠とする。

海外との取引においては貿易条件について定めることが重要です。最近は海上輸送よりも航空輸送が多いことにも注意が必要になります。貿易条件については、インコタームズ(Incoterms)において基本的な用語の定義が定められております。インコタームズとは、輸出入取引に関する定型的な取引条件、費用負担、リスクの分配などについて国際商業会議所が策定した定義規定です。契約を作成する際には、FOB、CIF、CFR、Ex Worksなどのうちどの取引条件によるかを明確にしておくことになります。それぞれの用語の意味については、[よくある質問]のインコタームズの個所を参照ください。

Article 6 (Price and Payment)
6.1 Payment for Products shall be made by Purchaser in US Dollars by means of telegraphic transfer (T/T) remittance to the bank account designated by Seller from time to time no later than one hundred fifty (150) days after the receipt by Purchase of Seller’s invoice.
6.2 Unless otherwise agreed between the Parties, invoices will be issued and mailed by Seller to Purchaser upon the delivery of the Products at the place of delivery set forth in this Agreement.
6.3 In the event the full amount of any invoice issued by Seller under this Agreement is not paid by Purchaser when due, any unpaid amount shall bear interest from the due date until paid, at an interest rate of fourteen (14) per cent per year or the maximum interest rate permitted by usury law of Purchaser’s country, if any, whichever is lower, on the basis of 360 days.

(訳文)
第6条 (価格及び支払)
6.1 本商品の支払いは、売主の送り状を買主が受領してから150日以内に、米ドルにより、その都度売主が指定した銀行口座宛に電信送金の方法で行われる。
6.2 当事者間で別途合意がない限り、本契約で規定する引渡し場所で本商品の引渡しがなされ次第、売主から買主に対して送り状が発行され、送付されるものとする。
6.3 万一、買主が、売主の発行した送り状の全額を期日に支払うことができない場合には、買主は、支払日から支払われる日までの期間について年360日のベースで年率14パーセント又は買主の国の利息制限法で認められる最高利率のいずれか低い利率により、遅延利息を支払うものとする。

価格の支払に関する条項です。近時は貿易取引もより迅速に行われるようになってきていますので、決済も比較的短期になされる傾向にあります。また、国際的取引において相手方の信用力に不安がある場合には、前金を要求したり、LC取引を要求することもあります。代金の支払は1回払いだけでなく、商品の発送時に半額を支払い、受け入れ検査後30日以内に残りの金額を支払うなどの分割払い(Installment payment)の方法もあります。売主の側に立つ場合と、買主の側に立つ場合があると思われますので、それぞれの事情を勘案しながら、自己にとって都合のいい決済条件が何かを考えておくことが重要になります。

Article 7 (Inspection)
Purchaser shall inspect the appearance, model number, quality and quantity of the Products purchased from Seller within [    (   )] days after the delivery of Products, and if Purchaser discovers any patent defects, incorrect model numbers, or any deficiency in quality or quantity, it shall immediately give notice thereof to Seller; otherwise Purchaser shall have no right to demand a remedy for any deficiency, replacement of defective Products, refund of purchase amounts, or a reduction in the price. Seller shall, free of charge, remedy the deficiency if so admitted by Seller and shall replace such defective Products, refund the purchase amounts, or reduce the purchase price of such Products, as the case may be.

(訳文)
第7条 (受入検査)
買主は、本商品の交付を受けた日から、_日以内に、買主から購入した商品の外観、型番、品質及び数量の検査を行う。買主が、特許侵害、型番違い、又は数量及び品質の不足を発見した場合、買主は、直ちに売主に通知するものとする。買主が売主への通知を怠った場合、買主は、不足の補填、欠陥商品の取替え、購入価格の返還、又は価格の減額を請求する権利を有しない。売主自ら欠陥を認めた場合は、売主は、無償で欠陥の修正を行い、かかる欠陥商品を取替え、購入価格を返還し、又は場合に応じて本商品の購入価格を減額する。

受け入れ検査をいつまでにどのように行うか、瑕疵修補や損害賠償請求、代金減額請求などをいつまでに、どのように行うことができるかを定めておく必要があります。国際間の売買契約においては、受け入れ検査の方法や瑕疵修補のクレームを請求することができる期間がいつまでかは、よく係争となる事項ですので、それぞれの取引条件に応じてその内容を明確にしておく必要があります。

Article 8 (Title and transfer of Risk)
Risk of and title to the Products shall pass from the Seller to Purchaser at the time when the Products or any part pf the Products passes the ship’s rail of the vessel at the port of shipment.
(訳文)
第8条 (所有権および危険負担の移転)
本商品の危険負担及び所有権は、本商品又は、その一部が、船積港で本船の欄干を通過したときに売主から買主に移転するものとする。

所有権の移転時期を明確にしておきます。危険負担や運送賃の負担については、上記のインコタームズの条項にも関係してきます。また、貿易条件をどのようにするかを定めることで、各当事者のリスクが明確になってきますので、そのリスクを回避するための保険に関する条項も検討する必要があるかもしれません。通常、リスクの負担を負う当事者の側で貿易保険に加入し、海上輸送におけるリスクなどは保険で回避されることが多いと思われます。

Article 9 (Warranty)
9.1 Seller warrants to Purchaser the quality of the Products in conformity with the specifications agreed upon between the Parties and quality expressly set forth in each individual contract. Seller shall indemnify and hold harmless Purchaser from products liability claims in relation to the Products.
9.2 If Purchaser receives a claim from any third party for the defects of the Products, Purchaser shall notify Seller promptly in writing of the claim. Seller and Purchaser shall make its best effort to correct defects in the Products as promptly as reasonably possible. Seller shall, at its option, repair or replace the Products or part thereof.
9.3 SELLER DOES NOT MAKE AND HEREBY DISCLAIMS ANY WARRANTY IN RESPECT OF THE PRODUCTS OTHER THAN AS PROVIDED ABOVE IN THIS ARTICLE, WHETHER EXPRESS OR IMPLIED, INCLUDING WITHOUT LIMITATION ANY IMPLIED WARRANTY OF MARCHANTABILITY OR FITNESS FOR ANY PURPOSE.

(訳文)
第9条 (保証)
9.1 売主は、本商品が、当事者間で合意された仕様に合致し、個別契約で明白に定められた品質を備えたものであることを買主に対して保証する。売主は、買主に対して、本商品に関する製造物責任から免責し、害が及ばないようにする。
9.2 万一買主が、本商品の欠陥について、第三者から請求を受けた場合、買主は、直ちにかかる請求について書面により売主に通知する。売主と買主は、合理的に可能な限り迅速に本商品の欠陥を是正するよう最大限の努力を行う。売主は、その判断により、本商品又はその一部を修復し、又は取り替えるものとする。
9.3 売主は、本製品については、本条の上記規定のほかには、明示又は黙示を問わず、黙示による商品性の保証や目的への適合性の保証を含め、何らの保証も行わないものとする。

品質保証条項とか、保証表明条項と呼ばれるものです。特に製品に瑕疵があった場合の責任を明確にしておく必要があります。売買では見本売買や仕様書に基づく売買が一般的だと思いますので、そのような見本や仕様書に合致しない商品については、瑕疵(欠陥)がある商品として取り扱われることになります。そのような場合の売主の責任としては、代金減額、瑕疵のない商品との取り換え、瑕疵の修補、損害賠償など様々な方法が考えられますが、国によって救済方法が異なってきますので、そのうちどの救済方法が適用になるかを明確にしておかないと思わない請求がなされる可能性もあり、大きなリスクとなってしまいます。品質保証のうち、特定目的への適合性や、市場性についての品質保証が行わない(保証対象でないことを明示する)のが通常です。

3 License Agreement(ライセンス契約書)

ライセンス契約とは

ライセンス契約は、特許、商標権、著作権、ノウハウなど、一定の財産的価値のある権利(知的財産権、工業所有権(Proprietary Rights、Intellectual Property Rights)といいます)を有する権利者が、その権利の使用を第三者に許諾する契約です。
権利の使用を許諾する人をライセンサー(Licensor)といい、権利の使用を許諾される人をライセンシー(Licensee)といいます。権利の使用を認めることを、権利の許諾(Grant of License)といいます。

対象となる権利

ライセンス契約の対象となる権利には次のようなものがあります。ライセンス契約書では、一つの契約書で複数の権利を許諾することも多くあります。

  • 特許権
  • 実用新案権
  • 意匠権
  • 商標権、トレードマーク、サービスマーク
  • 著作権

権利の実施許諾

権利の実施許諾に関して、次のような事項を定める必要があります。

  • 許諾の対象となる権利(定義(Definition)で明示されます)
  • 独占的許諾(Exclusive)か、非独占的許諾(Non-exclusive)か
  • 権利の許諾がなされる地域的制限(Territory)
  • 実施期間
実施許諾条項の例

Licensor hereby grants to Licensee, subject to the limitations, restrictions and conditions herein contained, a non-exclusive, non-transferable license, royalty free, without the right to sublicense, to use the Patent and Know-How only for the purpose of manufacturing Products in the Territory.  The Parties especially confirm that Licensee shall not use the Patent and Know-How for any other purpose other than manufacturing Products in the Territory.

(訳)ライセンサーは、ライセンシーに対し、本契約書を以って、本契約書に含まれる範囲、制限、及び条件に従い、領域内において製品を製造する目的に限り、特許及びノウハウを使用する非独占的で、譲渡不可の、無償の、サブライセンスできない権利を付与する。当事者は、ライセンシーが本件特許及びノウハウを領域内における製品の製造以外の目的で使用できないことについて特に確認する。

ロイヤルティの支払

ロイヤルティ(Royalty)の支払方法としては次のようなものがあります。

イニシャル・ペイメントとランニングロイヤルティ
イニシャル・ペイメント(Initial PaymentないしDown Payment)とは、契約締結時に、ライセンシーによる生産量や販売数量とは関係なく、ライセンシーがライセンサーに対して一定の金額の支払を行うことに合意するものです。一括払い(Lump-Sum Payment)の場合と、分割払い(Install-Payment)の場合があります。
ランニングロイヤルティ
ランニングロイヤルティは、ライセンシーによる生産や販売の数量に応じて支払金額が定まるものです。販売額を純販売額(Net Selling Price)を基準とするか、総販売額(Gross Selling Price)を基準とするか、純販売額をどのように計算するか、ロイヤルティのパーセンテージをいくらとするかなどを協議により決定する必要があります。
ミニマムロイヤルティ
ミニマムロイヤルティとは、販売数量に関係なく、毎期の最低限の支払金額を定めるものです。
ロイヤルティ条項の例

In consideration of the license and rights granted hereunder, Licensee shall pay to Licensor the following amount for the use of Trademarks during the term of this Agreement under the terms and conditions as follows: (a) Licensee shall pay an initial sum of 5 million Japanese Yen within 30days after the execution of this Agreement. (b) Licensee shall pay a royalty at the rate of 3% of Net Selling Price of Products.  The royalty shall be computed every calendar quarter period of each year.  (c) Even if the royalty computed pursuant to the preceding subparagraph (b) of this Article does not amount to 1 million Japanese Yen, Licensee guarantees to pay Licensor said sum as a minimum royalty.

(訳) 本契約書に基づき許諾されたライセンス及び権利の対価として、本契約書に基づき本契約書の期間中トレードマークを使用するために、ライセンシーはライセンサーに対して、以下の金額を支払う。(a)ライセンシーは、本契約書の調印日から30日以内に、当初支払金として500万円を支払う。(b)ライセンシーは、純販売額の3%をロイヤルティとして支払う。ロイヤルティは毎年各四半期ごとに計算される。(c)本条の前項(b)により計算されたロイヤルティの金額が100万円に満たない場合、ライセンシーはライセンサーに対して、ミニマムロイヤルティとして上記金額(100万円)を支払うことに合意する。

記録及び検査

ロイヤルティの支払い義務を定めた場合でも、ライセンサーとしてはライセンシーがきちんとロイヤルティの支払額を計算し、支払いをしてくれるかどうか不安となります。そこで、ライセンシーに対しては、正確な会計帳簿の作成を義務付け、ロイヤルティの計算式について外部の監査役による監査を受けた報告書を提出するよう要求することが多くあります。

記録及び検査条項の例

Licensee shall keep true and complete books and records covering all business done hereunder, and shall, concurrently with the royalty payment under subparagraph (b) of the preceding Article, furnish Licensor quarterly with an auditor’s statement of the royalty due hereunder for the preceding calendar quarter.

(訳)ライセンシーは、本契約書に基づき行われる事業の全てについて正確かつ完全な帳簿及び記録を維持し、ライセンサーに対し、四半期ごとに、前条(b)項によりロイヤルティの支払を行うと同時に、前四半期のロイヤルティの計算を行った監査役の報告書を提出するものとする。

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