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英文秘密保持契約書の期間はいつまでにすべきか

英文秘密保持契約書の契約期間

英文秘密保持契約書を英語でNon-Disclosure Agreementまたはこれを省略した形でNDAと言います。「Non-Disclosure」は、「disclosure(開示)をしない」という意味になります。英文秘密保持契約書には、契約期間が書かれる場合と、契約期間についての記載がない場合があります。契約の当事者が秘密保持契約を行った背景となる事情がなくなった場合には、契約を存続させておく意味がないということで、契約を終了させることになります。例えば、事業提携を行う場合は、事業提携の期間中はお互いの秘密を保持する必要があるが、事業提携の期間が終了した段階で秘密保持契約の期間も終了させるという考えがあります。

英文秘密保持契約書の契約期間の定めのサンプル

英文秘密保持契約書の中で、よくあるのが、契約期間を3年間と定め、その間であっても通知により契約の解除ができると定める方法です。秘密保持義務を負う限り、情報の管理などでの負担が大きくなりますので、必要がなくなった場合には、できるだけ早期に契約を終了させ、秘密保持義務から免れたいという点では合理性のある規定となります。

This Agreement shall be effective from the Effective Date for a term of three (3) year; provided, however, that either Party may terminate this Agreement at any time prior to the expiration of the three (3) year term by giving written notice of termination to the other Party.

(訳)本契約は、契約書の効力発行日から3年間有効である。但し、いずれの当事者も他方当事者に対して文書により通知することで本契約を解除することができる。

英文秘密保持契約書に期間を設けることの問題点

上記の通り、秘密保持契約書が存続する場合には、秘密情報の管理を行う義務を負うことになりますので、そのような義務から免れるためには、背景となる事情が消滅した時点でできるだけ早期に契約を終了させ、秘密保持義務から解放されたいということについては合理性が認められます。しかし一方で、秘密情報の中には、永久に保存したい事項や、少なくとも10年間は保存したいと考えるような事実もあります。例えば、製品の製造に関する秘密情報、化学製品の製造に関するレシピ(調合割合)、顧客の住所・連絡先、原価率などの情報です。これらは会社にとっては収益の源泉であり、この情報が一般に開示されたり、ライバル企業に知られることになると、著しい経済的損失を被るということも十分に考えられます。従って、秘密情報を開示した当事者の立場からすれば、秘密保持契約の期間を10年とか20年のような極めて長期にし、情報の陳腐化がなされる期間まで契約が存続するとするか、秘密保持契約書の契約期間が満了したとしても、情報の受領者が負担している秘密保持義務については、その後も存続するとしておく必要があります。

秘密保持義務の期間

秘密保持契約書の中には、秘密保持の期間を、情報が開示されてから3年間としたり、秘密保持契約書の調印がなされてから3年間としたりする契約があります。秘密保持契約書の契約期間を情報が開示されてから3年間とする場合は、情報が開示されてから3年間が経過すると、情報の陳腐化がなされ、もはやそのような情報の秘密性を維持しておく必要がないということに根拠があると思われます。しかし、3年間で情報の陳腐化がなされるというのはかなり限られた場合であるとも言えます。企業が秘密情報として管理する通常の秘密情報は、会社の収益の源泉でもありますので、通常の場合、3年で陳腐化されるということは少ないように思われます。秘密保持期間を情報開示から3年間とする場合には、本当にその情報の秘密性の維持を3年に限定して問題がないのかを慎重に検討する必要があります。また、秘密保持契約書の契約期間が契約調印時から3年と定められている場合があります。このような条項の問題点は、例えば契約調印時から2年6カ月後に開示された秘密情報については、6カ月しか秘密性が保持されないということにあります。従って、秘密保持義務の期間を含め、秘密保持契約書の期間を単純に3年間と定める方法については注意が必要です。

英文秘密保持契約書に期間を書かない方法

上記の通り、秘密保持契約書の契約期間が短期に定められている場合、秘密保持義務の期間が終了し、その後秘密情報が第三者に開示されたり、目的外で利用されたりする可能性があります。特に会社の従業員が業務の過程で取得した秘密情報については、ライバル企業に転職した社員がライバル企業の活動に利用する可能性がありますので、極めて深刻なダメージを被ってしまうことになりかねません。そこで、秘密保持契約書の中に、契約期間についての定めを設けないという選択肢が考えられます。この場合は、いつまで契約の効力が存続するかは、常識に従って判断されるということになります。多くのケースでは、秘密情報の秘密性が保持されている期間中は、その効力が存続すると解釈されると思われます。従って、秘密保持契約書の中で、契約期間についての定めを設けないことで、長期にわたる秘密性が担保されると言えます。

サバイバル条項(survival clause)を設ける方法

英文契約書の中にサバイバル条項と呼ばれる条項が出てくることが多くあります。これは、万一契約期間が満了したり、契約が契約期間の途中において解除されたりした場合であっても、特定の契約条項については、本体となる契約の終了後もその効力を維持することを規定する条項です。そこで、サバイバル条項を用いることにより、秘密保持義務についての法的拘束力については、本体となる秘密保持契約書が期間満了により終了したり、契約解除により効力を喪失したりする場合であっても、存続するということを明確に定めることが出来ます。

サバイバル条項(survival clause)のサンプル1

The obligations under this section shall continue for three (3) years from the termination/expiration of this Agreement.

(訳)本条による法的義務は本契約書の解除又は期間満了後も3年間存続する。

(解説)この条項は、秘密保持義務の契約条項の最後に記載されるもので、秘密保持義務の法的効力が契約期間の満了後も存続することが極めて明確となります。

サバイバル条項(survival clause)のサンプル2

The Parties agree that the confidentiality provisions of Section 3 shall survive upon the termination or expiration of this Agreement.

(訳)第3条の秘密保持義務については本契約書の解除又は期間満了後も存続する。

(解説)典型的なサバイバル条項になります。契約の条文番号を示して、その条文については、契約期間の満場又は契約の解除の後もサバイブする(存続する)ということを規定しています。いつまで存続するかについては、記載されないことも多くあります。

サバイバル条項(survival clause)の重要性

以上のように、秘密保持契約書を作成する場合には、サバイバル条項は極めて重要な意味を有することになります。契約期間についての定めがある場合や、契約解除についての定めがある場合には、サバイバル条項を設ける必要があるかどうかを慎重に吟味する必要があります。

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