公開日:2021/06/28 最終更新日:2021/07/04 イニシャルサインについて教えてください 目次イニシャルサインとは何ですか。イニシャルサインの有効性全ページへのイニシャルサイン最終ページにのみサインする場合サイン証明書の発行 イニシャルサインとは何ですか。 イニシャルサインは、契約書のサイン欄にイニシャルのみ記入するものです。 イニシャルサインの有効性 イニシャルであっても、契約書の当事者本人がサインしている限り有効な署名となります。英語圏では、名前の全部をきちんとしたスペルで表示するよりも、イニシャルや省略化されたサインで署名することが多く行われます。署名者が誰であるかについて裁判上争われる場合、本人による署名であるかどうかは、筆跡鑑定によって判断されることになります。 全ページへのイニシャルサイン 署名欄には、名前の全部を記載しながら(あるいは署名欄にもイニシャルを記載しながら)、契約書の署名欄以外の全てのページにイニシャルによるサインをすることがあります。これは署名欄のあるページ以外のページも一連の文書であることを明らかにし、署名欄以外の契約ページを後で差し替えられることがないようにする効果があります。署名欄以外のページにイニシャルサインをする場合、イニシャルと一緒に日付の記載がなされることもあります。 20ページくらいの契約書であれば、全ページにサインすることもそれほど負担ではありませんが、AddendumやScheduleなどの名前の添付文書が増えてくる場合には、数百ページになることもあります。このような場合にはイニシャルサインはかなり負担になりますので、バインディングの方法を取らざるを得ないことになります。契約書のバインディングがなされる場合は、契約書の各ページを差し替えることは困難ですので、全ページにイニシャルサインをする必要はなくなります。 最終ページにのみサインする場合 また、契約書の内容によっては、各ページへのイニシャルサインもせずに、単にばらばらになった契約書の最終ページの署名欄にサインするだけということもあります。この場合であっても、契約書の有効性については問題がありませんので、裁判上も有効な契約書と判断されることになります。しかし、将来裁判になった場合に、当事者が裁判所に提出した契約書の内容が異なっている場合に、どちらの文書が最終バージョンの契約書なのかが争われる可能性もないわけではありませんので、重要な契約書については全ページにイニシャルサインをするかバインディングの方法を取られることをお勧めします。 サイン証明書の発行 調印の際には、相手方が本当に調印したその人本人であるかどうかを確認することも重要になります。日本の不動産取引では、司法書士や不動産の仲介業者は本人確認義務がありますので、運転免許証などで本人確認を行いますが、外国の当事者の場合、本人確認が難しいこともしばしば生じえます。その場合には、公証人が発行するサイン証明書を合わせて送付してもらい、サイン証明書のサインと契約書のサインが同じものかどうかを肉眼で判定するということになります。 執筆者情報 栗林 勉 Tsutomu Kuribayashi 栗林総合法律事務所の代表であり、米国ニューヨーク州の弁護士資格を有する国際弁護士。国内企業法務の他、国際的紛争の解決や国際取引に関する契約書の作成、中小企業の海外進出支援などの業務を幅広く扱っている。 英文契約のQ&A一覧に戻る
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イニシャルサインについて教えてください
目次
イニシャルサインとは何ですか。
イニシャルサインは、契約書のサイン欄にイニシャルのみ記入するものです。
イニシャルサインの有効性
イニシャルであっても、契約書の当事者本人がサインしている限り有効な署名となります。英語圏では、名前の全部をきちんとしたスペルで表示するよりも、イニシャルや省略化されたサインで署名することが多く行われます。署名者が誰であるかについて裁判上争われる場合、本人による署名であるかどうかは、筆跡鑑定によって判断されることになります。
全ページへのイニシャルサイン
署名欄には、名前の全部を記載しながら(あるいは署名欄にもイニシャルを記載しながら)、契約書の署名欄以外の全てのページにイニシャルによるサインをすることがあります。これは署名欄のあるページ以外のページも一連の文書であることを明らかにし、署名欄以外の契約ページを後で差し替えられることがないようにする効果があります。署名欄以外のページにイニシャルサインをする場合、イニシャルと一緒に日付の記載がなされることもあります。
20ページくらいの契約書であれば、全ページにサインすることもそれほど負担ではありませんが、AddendumやScheduleなどの名前の添付文書が増えてくる場合には、数百ページになることもあります。このような場合にはイニシャルサインはかなり負担になりますので、バインディングの方法を取らざるを得ないことになります。契約書のバインディングがなされる場合は、契約書の各ページを差し替えることは困難ですので、全ページにイニシャルサインをする必要はなくなります。
最終ページにのみサインする場合
また、契約書の内容によっては、各ページへのイニシャルサインもせずに、単にばらばらになった契約書の最終ページの署名欄にサインするだけということもあります。この場合であっても、契約書の有効性については問題がありませんので、裁判上も有効な契約書と判断されることになります。しかし、将来裁判になった場合に、当事者が裁判所に提出した契約書の内容が異なっている場合に、どちらの文書が最終バージョンの契約書なのかが争われる可能性もないわけではありませんので、重要な契約書については全ページにイニシャルサインをするかバインディングの方法を取られることをお勧めします。
サイン証明書の発行
調印の際には、相手方が本当に調印したその人本人であるかどうかを確認することも重要になります。日本の不動産取引では、司法書士や不動産の仲介業者は本人確認義務がありますので、運転免許証などで本人確認を行いますが、外国の当事者の場合、本人確認が難しいこともしばしば生じえます。その場合には、公証人が発行するサイン証明書を合わせて送付してもらい、サイン証明書のサインと契約書のサインが同じものかどうかを肉眼で判定するということになります。
執筆者情報
栗林 勉
Tsutomu Kuribayashi
栗林総合法律事務所の代表であり、米国ニューヨーク州の弁護士資格を有する国際弁護士。国内企業法務の他、国際的紛争の解決や国際取引に関する契約書の作成、中小企業の海外進出支援などの業務を幅広く扱っている。
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