(サンプル)This Agreement made and entered into this first day of May, 2023 (“Effective Date”) by and between Yamada Co., Ltd., a corporation organized and existing under the laws of Japan with its principal place of business at Yamada Bldg. 301, 1-3-12, Hibiya, Chiyoda-ku, Tokyo, 100-0021 Japan (“Seller”), and ABC Inc., a corporation organized and existing under the laws of California, USA with its principal place of business at 2500 Innovation Way, Greenfield, CA 45100, USA (“Purchaser”).
イギリス式の英語表現では、the first day of May 2023というように、日にち、月、年の順番で記載されます。年については西暦で書きます。また、日にちについては、何番目の日というように記載されますので、1日で言えばthe first day of となります。同じく15日であればthe fifteenth day of というようになります。これに対してアメリカ式の英語では、May 30, 2023というように、月、日にち、年の順番で記載されます。日にちと年との間にはカンマが入ります。
日本法に基づいて設立され、存続しているという場合には、organized and existing under the law of Japanというように記載されます。アメリカの場合は、州ごと法律が異なりますので、設立準拠法を明らかにするために、アメリカ合衆国のどの州で設立されたかを記載しておく必要があります。アメリカの場合、全米の週の中でデラウェア州の会社法が最も要件が緩やかで、会社運営上の負担が少ないということから、実際の活動場所がどこであるかに拘わらず、デラウェア州の法律に準拠して会社が設立される場合が多くあります。例えば、ニューヨークやカリフォルニアに主たる事務所を有し、その州で主要な事業活動を行っている場合でありながら、デラウェア州の会社法が設立準拠法となっている場合です。この場合、会社の組織や運営に関する法律問題については、ニューヨーク州法やカリフォルニア州法ではなく、デラウェア州法が適用になります。
主たる事務所を記載する意味
会社名と設立準拠法を記載した後に、主たる事務所(principal place of business)を記載することが多くあります。同じ名前の会社も多くありますので、名前と主たる事務所の両方で当事者を特定することになります。また、主たる事務所の表記は、契約書に関連する通知書や訴状などの裁判に関連する書類の送付先としても意味があります。当事者が契約条項の中で通知書の送付先として特に規定していない場合は、頭書きに記載された主たる事務所が通知書(裁判に関連する訴状なども含む)の送付先となります。
日本の場合は会社の存在は商業登記簿謄本で確認することができます。海外の会社と取引を行う場合は、商業登記簿謄本を入手し、英訳をしたうえで、弁護士による翻訳証明書を添付して提出することもあります。アメリカの場合は、日本のような商業登記簿謄本はありませんが、各州にあるSecretary of Stateというところに、Certificate of Incorporation(設立証明書)の発行を求めることはできます。これは公開情報ですので、誰でも入手することができ、日本からでもオンラインで取得することができます。但し、日本の商業登記簿謄本と異なり、Certificate of Incorporationには設立時の役員の名前は記載されていますが、現在の取締役や代表取締役の氏名や住所が記載されているわけではありません。これらの情報についてはダンレポートのような調査会社の調査報告書や会社の代表者から任意に提出してもらうAffidavit(宣誓供述書)やMinutes of the resolution of board of directors meeting(取締役会議事録)等で確認することになります。
Good standing certificate(存続証明書)
アメリカの場合は、Certificate of Incorporationとは別にGood Standing Certificate(存続証明書)という証明書が発行されることがあります。これは、IRS(日本の国税庁に相当するアメリカの内国歳入庁)に対してきちんと税金(日本の法人住民税のようなフランチャイズ税)を支払っており、現在も会社が有効に存在していることを証明する公的な証明書になります。企業買収を行うような場合は、買収先企業が現在も有効に存続していることの証明としてGood Standing Certificateの提出が求められることが多くあります。
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英文契約書の頭書きの書き方を教えてください。
目次
英文契約書の頭書きとは
英文契約書の頭書きとは、英文契約書のタイトルの次に記載される部分で、当事者の名前、住所、設立準拠法、発効日等が記載されます。英文契約書の中でも、頭書きの記載がなく、いきなり本文から書きだす場合もありますが、英文契約書の9割近くの様式では、頭書きの記載がなされているのではないかと推測されます。
英文契約書の頭書きのサンプル
(サンプル)This Agreement made and entered into this first day of May, 2023 (“Effective Date”) by and between Yamada Co., Ltd., a corporation organized and existing under the laws of Japan with its principal place of business at Yamada Bldg. 301, 1-3-12, Hibiya, Chiyoda-ku, Tokyo, 100-0021 Japan (“Seller”), and ABC Inc., a corporation organized and existing under the laws of California, USA with its principal place of business at 2500 Innovation Way, Greenfield, CA 45100, USA (“Purchaser”).
(訳)本契約は、2023年5月1日(発効日)において〒100-0021日本国東京都千代田区日比谷1丁目3番12号山田ビル301号室に本店を有し、日本法に基づいて設立され存続する山田株式会社(「売主」)と、アメリカ合衆国45100カリフォルニア州グリーンフィールド、イノベーションウェイ2500に本店を有し、アメリカ合衆国カリフォルニア州の法律に基づいて設立され存続するABC Inc.(「買主」)との間で締結された。
Effective Date(効力発生日)について
英文契約書の効力発生日のことをEffective Dateといいます。契約は当事者の合意によって成立しますので、契約書に調印した日が効力発生日となります。両当事者の間で契約書にサインした日にちが異なる場合は、当事者のいずれか後にサインした人のサインした日が効力発生日となります。契約書にサインした日と効力発生日を別の日にすることもあり得ますが(例えば契約の調印日を2023年5月1日とし、契約書の効力発生日を2023年5月末日とする場合)、かなりイレギュラーではあります。頭書きの部分に効力発生日が記載されており、契約書のサイン欄の日にちと異なる場合は、頭書きの部分で効力発生日があえて記載されていることから、当事者の素直な意思解釈としては、頭書きの部分に効力発生日として記載された日にちにおいて効力が生じるものと考えていたものと解釈されます。契約書の作成をバックデイトで行うこともあります。例えば実際には2023年5月1日に契約書に調印したものの、契約書の調印日には2023年3月1日と書き、効力発生日を2023年3月1日とする場合などです。このようにバックデイトで契約書を作成した場合も、契約書の中で意図した日にち(この例で言えば2023年3月1日)から効力が生じたものとして扱われます。バックデイトで作成された契約書についても有効であるのが原則ですが、書類の種類によってはバックデイトによる書類の作成が禁止されたり、無効とみなされる場合もありますので、注意が必要となります。
Effective Date(効力発生日)の記載方法
イギリス式の英語表現では、the first day of May 2023というように、日にち、月、年の順番で記載されます。年については西暦で書きます。また、日にちについては、何番目の日というように記載されますので、1日で言えばthe first day of となります。同じく15日であればthe fifteenth day of というようになります。これに対してアメリカ式の英語では、May 30, 2023というように、月、日にち、年の順番で記載されます。日にちと年との間にはカンマが入ります。
当事者の名称の記載方法
当事者の名称については、会社の正式名称を記載します。上場会社など規模の大きな日本企業の場合は、会社名証の英語表記が定款などで定められていることが多いと思います。このような場合には、必ず定款などの記載を参照して正確に記載する必要があります。日本の会社の場合は、Co., Ltd.と書かれていることが多くあります。Ltd.はLimitedの省略形になります。Ltdの後にピリオド、カンマが書かれます。アメリカの会社の名称においては、Inc.の記載が用いられることが多くあります。IncはIncorporatedの省略になります。会社の英文表記をどのようにするかは、それぞれの会社が独自に定めていますので、一定のルールがあるわけではありません。契約書を作成する際には、相手方当事者に直接確認するか、インターネットなどの公開情報を基にして、相手方当事者の正確な英語表記を確認する必要があります。
設立準拠法の記載方法
日本法に基づいて設立され、存続しているという場合には、organized and existing under the law of Japanというように記載されます。アメリカの場合は、州ごと法律が異なりますので、設立準拠法を明らかにするために、アメリカ合衆国のどの州で設立されたかを記載しておく必要があります。アメリカの場合、全米の週の中でデラウェア州の会社法が最も要件が緩やかで、会社運営上の負担が少ないということから、実際の活動場所がどこであるかに拘わらず、デラウェア州の法律に準拠して会社が設立される場合が多くあります。例えば、ニューヨークやカリフォルニアに主たる事務所を有し、その州で主要な事業活動を行っている場合でありながら、デラウェア州の会社法が設立準拠法となっている場合です。この場合、会社の組織や運営に関する法律問題については、ニューヨーク州法やカリフォルニア州法ではなく、デラウェア州法が適用になります。
主たる事務所を記載する意味
会社名と設立準拠法を記載した後に、主たる事務所(principal place of business)を記載することが多くあります。同じ名前の会社も多くありますので、名前と主たる事務所の両方で当事者を特定することになります。また、主たる事務所の表記は、契約書に関連する通知書や訴状などの裁判に関連する書類の送付先としても意味があります。当事者が契約条項の中で通知書の送付先として特に規定していない場合は、頭書きに記載された主たる事務所が通知書(裁判に関連する訴状なども含む)の送付先となります。
主たる事務所の英語表記
主たる事務所の英語表記については、日本の会社であるか海外の会社であるかに拘わらず、狭い場所からだんだんと広い場所へと記載していきます。例えば、次のような表記になります。
Yamada Bldg. 301, 1-3-12, Hibiya, Chiyoda-ku, Tokyo 100-0021, Japan
Yamada Bldg. 301は山田ビル301号室という意味になります。ビル名と部屋番号を記入します。ビルディングという表記については、Buildingと書くことでも問題ありませんが、多くの場合はBldg.というように省略されます。1-3-12は1丁目3番12号という地番を指しています。これは一塊で記載しますので、数字の間はハイフンでつなぎます。1-3-12のひとかたまりについては、広い場所から狭い場所へと記載されますので、1は丁目を、3は地番を、12は号を示しています。但し、1丁目の所を、日比谷という名称と一緒にして、Hibiya 1-cyomeと記載することもあります。この場合1-3-12のひとかたまりの記載のうち、1の部分は日比谷の方にくっつけられていますので、1-3-12の中から除き、3-12のみ記載します。その場合の住所の表示は、次のようになります。
Yamada Bldg. 301, 3-12, Hibiya 1-chome, Chiyoda-ku, Tokyo 100-0021, Japan
上記のうち100-0021は郵便番号になります。アメリカの場合はZip番号と呼ばれることがあります。なお、アメリカにおける住所の記載のうち、州の表記については省略されて記載されます。例えば、カリフォルニア州の場合はCAと書かれます。ニューヨーク州の場合はNYと書かれます。イリノイ州の場合はILと書かれます。
Certificate of Incorporation(設立証明書)
日本の場合は会社の存在は商業登記簿謄本で確認することができます。海外の会社と取引を行う場合は、商業登記簿謄本を入手し、英訳をしたうえで、弁護士による翻訳証明書を添付して提出することもあります。アメリカの場合は、日本のような商業登記簿謄本はありませんが、各州にあるSecretary of Stateというところに、Certificate of Incorporation(設立証明書)の発行を求めることはできます。これは公開情報ですので、誰でも入手することができ、日本からでもオンラインで取得することができます。但し、日本の商業登記簿謄本と異なり、Certificate of Incorporationには設立時の役員の名前は記載されていますが、現在の取締役や代表取締役の氏名や住所が記載されているわけではありません。これらの情報についてはダンレポートのような調査会社の調査報告書や会社の代表者から任意に提出してもらうAffidavit(宣誓供述書)やMinutes of the resolution of board of directors meeting(取締役会議事録)等で確認することになります。
Good standing certificate(存続証明書)
アメリカの場合は、Certificate of Incorporationとは別にGood Standing Certificate(存続証明書)という証明書が発行されることがあります。これは、IRS(日本の国税庁に相当するアメリカの内国歳入庁)に対してきちんと税金(日本の法人住民税のようなフランチャイズ税)を支払っており、現在も会社が有効に存在していることを証明する公的な証明書になります。企業買収を行うような場合は、買収先企業が現在も有効に存続していることの証明としてGood Standing Certificateの提出が求められることが多くあります。
調査会社による調査
海外の企業と取引をする場合は、契約書における当事者の特定とともに、相手先企業の信用調査も重要となります。インターネットなどの公開情報も重要な資料となりますが、海外での調査には限界があります。そのような場合は、ダンレポートのような現地の調査会社を利用して、相手先企業の信用調査を行うことも考えられます。現地の法律事務所に調査報告書を作成してもらうこともあります。
執筆者情報
栗林 勉
Tsutomu Kuribayashi
栗林総合法律事務所の代表であり、米国ニューヨーク州の弁護士資格を有する国際弁護士。国内企業法務の他、国際的紛争の解決や国際取引に関する契約書の作成、中小企業の海外進出支援などの業務を幅広く扱っている。
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