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Whereas条項について教えてください。

英文契約書の前文とは

英文契約書の前文とは、契約書の頭書きの部分で契約の名称、効力発生日、当事者の名称や住所などを記載した後に記載される部分で、契約締結に至った動機や事実関係について簡潔に記載されます。

Whereas条項とは

英文契約書の前文については、各文章がWhereasの書き出しで書かれることが多いことから、Whereas Clause(Whereas条項)と呼ばれることがあります。

Witnessethの記載について

英文契約書のWhereas条項(前文)の記載の最初の所に、Witnessethと黒字で書かれることがあります。英文契約書の最初に記載される頭書き部分において、「●年●月●日、誰と誰との間で締結された●●契約書」という文書の主語が記載され、それを受けた動詞としてWitnesseth(以下の通り証明する)という言葉が用いられています。その後、証明する内容(目的語)として第1条から順番に第●条までの内容が羅列されるということになります。

Recitalの記載について

Whereas条項の最初の所に、Witnessethの記載に変えて、Recitalと書かれることもあります。Recitalは説明という意味です。事実関係について説明する部分という意味になります。Witnessethと記載するか、Recitalと記載するかで意味が変わってくるわけではありません。

Preamble、Premisesの記載について

また、Recitalの記載に変えて、PreambleやPremisesという言葉が用いられることもあります。どちらも前文、前提という意味です。Recitalと書くか、Preambleと書くか、Premisesと書くかで違いがあるわけではありません。

Whereas条項のサンプル

WHEREAS, Buyer wishes Seller to manufacture and sell the Products as hereinbelow defined and wishes to purchase such Products from Seller ; and

WHEREAS, Seller is willing to manufacture and sell the Products for Buyer on the terms and conditions set forth below.

NOW, THEREFORE, in consideration of the premises of the mutual covenants and agreements herein contained, the parties hereto agree as follows:

(訳)買主は、売主が以下に定義する製品を製造および販売することを希望し、売主からそのような製品を購入することを希望している

売主は、以下に定める条件で、買主のために製品を製造および販売する意思がある。

そこで、本契約書に含まれる相互の約束および合意の前提事実を約因として、当事者は以下のとおり合意する。

Whereas条項の記載内容

Whereas条項においては、契約書の調印に至る前提となる事実を記載します。英文契約書においては、申込(offer)と承諾(acceptance)の他に、それぞれがお互いに譲歩を行うことで経済価値を交換したという約因(consideration)の存在が必要となります。一方当事者のみが経済的価値を提供し、他方当事者が相手方当事者に対して全く経済価値を提供していない約束については、considerationがないものとして無効とされます。そこで、前文においては、それぞれの当事者がどのような事実関係に基づいて契約調印に至ったのかを簡潔に記載することで、お互いにConsiderationのある契約であることを明確にすることになります。上記の例でいえば、買主は、相手方に物を製造販売して欲しいと望んでおり、そのために対価(売買代金)の提供を行うことに同意していることになります。買主も、契約に定めた条件に従って物の製造販売を行うことを希望しており、相手方から交付される経済価値(売買代金)の支払を受けることを希望して物の製造販売を行っていることが分かることになります。

Now Thereforeの意味

Now Thereforeは、「そこで」とか、「従って」という意味になります。Whereas条項において記載された内容を基に、相互に約因が存在する契約書であることを確認する内容となります。

In consideration ofの意味

In consideration ofは、「何々を約因として」と訳されます。Considerationを「対価」と訳してはいけません。相互に行われた誓約や約束事項、合意内容をお互いに相手方に与える約因(経済的価値の交付)としてこの契約を締結するという意味になります。

Whereas条項の法的拘束力

Whereas条項の内容は、契約の解釈の参考とされることはありますが、その記載内容自体が法的拘束力を生じさせる(その記載内容に基づいて当事者が権利義務を負う)ものではないと言われています。

執筆者情報

栗林 勉

Tsutomu Kuribayashi

栗林総合法律事務所の代表であり、米国ニューヨーク州の弁護士資格を有する国際弁護士。国内企業法務の他、国際的紛争の解決や国際取引に関する契約書の作成、中小企業の海外進出支援などの業務を幅広く扱っている。

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