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special damages(特別損害)について教えてください。

special damages(特別損害)とは

英文契約書の中でよく出てくるspecial damagesとは、特別損害という意味です。債務不履行と因果関係にある損害の中でも、通常発生する損害と、特別な事情により発生する損害があります。例えば食品に賞味期限が経過しており、消費者が体調を壊したような場合、病気による治療費などは通常損害となります。一方でその消費者が、体調不良に陥ったために大学受験が出来ず、1年間浪人をすることになり損害を被ったという場合、大学受験が出来なかったことによる損害は特別な事情によって生じた損害ですので、特別損害ということになります。

special damages(特別損害)についての賠償義務

特別損害についても、債務不履行がなされた時点で、当該損害の発生が予見できるような場合には、損害賠償の対象となるというのが原則です。一方で予見不能であったような場合には、賠償の対象とはなりません。上記の例で大学受験が出来なくなったというのは、特別な事情であり、債務不履行を行った者が予見し得たとは言えないと思いますので、損害賠償の対象外になるのではないかと思います。一方で、病院に入院し、仕事が出来なくなったので、収入が減少したというような場合は、収入の減少分については予見の範囲内であり、損害賠償の対象になると思われます。

special damages(特別損害)についての賠償の制限

英文契約書の中では、special damages(特別損害)については損害賠償の対象外であり、賠償義務を負わないと規定することがあります。このような規定の効力についても、私的自治の範囲内であり、原則として有効であると考えられます。但し、消費者の権利を不当に奪うような内容である場合は、無効と判断される可能性が高いと思われます。また、故意による債務不履行や重過失による債務不履行の場合にまで責任を免除するのは行きすぎですので、そのような場合にはこの規定が無効と判断される可能性もあります。

special damages(特別損害)に関する契約書のサンプル条項1

英文契約書の中では、special damages(特別損害)についての損害金の支払は認められないというような形で記載される場合がほとんどです。

(サンプル)Neither party to this Agreement shall be liable to any other party hereto for claims for special or incidental damages, regardless of whether a claim is based on contract, tort, strict liability, or any other legal or equitable principle.

(訳)本契約のいずれの当事者も、請求が契約、不法行為、厳格責任、またはその他の実定法上または衡平法上の原則に基づいているかどうかに関係なく、特別損害または偶発損害に対する請求について、本契約の他の当事者に対して責任を負わない。

(解説)「incidental damages」は偶発損害と訳されます。偶然生じた損害という意味です。特別損害や偶発損害についても、債務不履行当事者がその損害の発生を予見できた時は損害賠償の対象となるのが原則です。しかし、上記のように契約書の中で賠償の範囲外となることを明確に記載している場合は、損害賠償が免除される可能性が高いと言えます。

special damages(特別損害)に関する契約書のサンプル条項2

(サンプル)Each party to this Agreement agrees that it shall not have a remedy of punitive, special, indirect or consequential damages against any other party to this Agreement in connection with any claim or dispute arising hereunder.

(訳)本契約の各当事者は、本契約に基づいて発生する請求または紛争に関連して、本契約の他の当事者に対して、懲罰的、特別、間接的、または結果的な損害について救済を受けないことに同意するものとします。

(解説)債務不履行から生じる通常損害以外の賠償責任を排除することを目的とした規定です。特にアメリカでは、非常に高額の損害賠償が認められる可能性がありますので、特別損害については賠償の範囲外であることを規定しておくことは有効です。punitive damagesは懲罰的損害賠償のことです。Indirect damagesは間接損害のことです。

執筆者情報

栗林 勉

Tsutomu Kuribayashi

栗林総合法律事務所の代表であり、米国ニューヨーク州の弁護士資格を有する国際弁護士。国内企業法務の他、国際的紛争の解決や国際取引に関する契約書の作成、中小企業の海外進出支援などの業務を幅広く扱っている。

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